2005年11月11日・・・

2. 30人学級と個人指導


今、「30人学級」という言葉が時折、新聞に載ります。与党は「少人数」、野党は「30人」を標榜している。30人学級に関し、都教委は「年間760億円の人件費が余分にかかる」と消極的。全国では単純計算で、11万人の教師、7800億円が新たに必要だそうです。もちろん1年間の話です。 現今の厳しい国家財政では、簡単には実現できないでしょうが、政権交代があれば実現するのかもしれません。(山形県や大阪府などは、すでに実施しているようです)

莫大な費用を注ぎ込んで「30人学級」が実現、維持できたと仮定して、果たして、本当にそれに見合う成果が得られるのでしょうか? 私は懸念するのです。「30人学級」が実現し、10年経ったら、今度は「20人学級実現」の声が起こるのではないかと。 実は、私は、自身の体験から「30人学級」も、そして「20人学級」でさえも、大きな解決にはならないと信じているのです。確信しています。

なぜか。1つには、私は、大学を卒業して20代、30代、小中高生対象の学習塾を経営していました。そのときの体験です。20代は「一斉指導」。30代は「個人別指導」。それぞれ10年間ずつ体験したからです。ちなみに、40代はCAI(コンピュータ利用の教育)ソフト開発の企業に勤め、50代で独立し、現在に至る。という人間です。

もう1つの根拠は、民間教育機関、いわゆる「学習塾業界」での生存競争をかけた結果です。いろいろな指導法の塾がありました。しかし、ここ20年くらいの間に淘汰が進み、一つの傾向が明確に見えています。若干の例外はありますが、勝負がついたのです。「一斉指導」型の敗退。「個人指導」型の勝利です。勝者の1つ、公文教育研究会は、ご存知のとおり日本最大級、世界最大かもしれない。 今や日本の生徒数よりも、海外44カ国の生徒数の方が多い。海外だけで230万人を越えている。そして、勝者「個人指導」型は、何も、公文だけではない。指導法も含め他にいくつもあるのです。

ですから、ほとんどの私塾が、本当に個人別指導を上手にできるかどうかは別問題、とにかくパンフレット・看板に“見かけ”だけでも「個人別」を出すようになった。「少子化」も加わって、そうしないと生徒を逃してしまう。生き残れない! という危機感があるのです。なぜなら、生徒と家庭が「個人別」の方を望むのですから、どうしようもない。「個人別」の快進撃は、今も続いている。